技術データを最小2乗近似直線で描くためには,Excelグラフ機能のほかに,最小2乗近似直線の基礎理論を知っている必要があります。このトピックではこれらについて説明します。基礎理論は,最小2乗近似直線を用いてとんでもない誤った結論を引き出さないために避けては通れません。本来,基礎理論には多少の数学(偏微分学)が必要になりますが,ここでは数式を飛ばして読んでも理解できるように説明しましょう。強力な武器ですから,しっかり勉強してください。
■ 技術データを最小2乗近似直線で描く操作 


■ 最小2乗近似直線の基礎理論 
- 左の図
実験値や測定値は誤差をもちます。誤差が大きいほど,つまり真の値から離れるほど誤差が発生する確率は小さくなります。両者の関係をグラフに表すと左の図のような釣鐘形の曲線になります。この曲線を正規分布曲線といいます。確率が最大のところが,誤差が最小であることに注意してください。 - 中央の図
上記の正規分布曲線を右に90 度傾けた図です。図には,プロット( )が示されています。誤差v と確率p の大きさが太い直線で示されています。 - 右の図
x に対するy の値をプロット( )した図です。直線は真の値の位置を示しています。そもそも最小2 乗近似直線とは,真の値が直線であるという前提からスタートします。
誤差の総合確率P と最小2 乗近似直線の関係を考えましょう。上述したように(左の図),確率が最大のときに誤差は最小になります。真の直線とプロットのずれが誤差v です。プロットを左から順に1, 2, 3, 4 と番号付けしてそれぞれの誤差をv1, v2, v3, v4 とし,それらの確率がp1, p2, p3, p4 であるとしましょう。誤差の総合確率はP=p1×p2×p3×p4 であり,
(v の2 乗の和)が最小であればP は最大です。P が最大ということは,最も真の直線の存在確率が高いということです。最も真の直線の存在確率が高い直線が最小2 乗近似直線です。![]()
最小2 乗近似直線は何を近似しているのでしょう。それは,真の値を示す直線(真の直線)です。

032 サンプルダウンロード
上記サンプルはVBAマクロを使用しています。




